ウツといって精神科や心理カウンセラーのもとを訪れてくるかなりの割合の人々は、実際は投薬などの医学的治療が必要な「本当のウツ病」とは言えない、いわば「ウツもどき」の症状に過ぎないのが実情です。
このような現象は、ウツという言葉の軽量化に伴って出現した現象といえるでしょう。
人はいつも明るく快活に過ごせるわけはないし、うつうつとした気分になりたい時もある。でもそう見られることをネガティブにとらえてしまう、そうなってくると、やはりウツっぽくなってしまったり精神的にまいってしまったり、症状が出てしまうこともあるようです。
実際、病院に診察をしてもらいに行った人も正確に「うつ病」とまでは言えない、「ウツもどき」と言える人が多いのです。こういう人たちは、話をちょっと聞いてあげるだけで、すっきりした顔をして二度と来ることがないといわれています。
つまり、彼や彼女らは、ウツというラベルを自分に貼ってもらい、それで落ち込むどころか、自己満足するようなところがあるのです。メランコリックな人は知的であるといった自己愛的な心理があったり、ウツという記号を不安な心の一時的避難所として利用しようという無意識の働きがあるのかもしれません。
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